LDS患者が注意したい片頭痛の薬

loeys-dietz 症候群

こんにちは。mikanです。

季節の変わり目は体調を崩しやすく、私自身も片頭痛に悩まされてきて、片頭痛治療薬を服用しながら生活しています。

ところで、片頭痛の発作時に使う薬にはいくつか種類があり、

特にトリプタン系・ジタン系・ゲパント系は有効性が高い片頭痛治療薬として知られています。

一方で、カロナールやNSAIDsは片頭痛治療薬としては一段階下の位置づけになります。

ここまでは一般論で、LDS患者の場合は少し考え方が変わります。

単純に「ガイドラインで推奨されているから使いやすい」と考えるのではなく、血管への影響があるかどうかも重要になるからです。

今回は、片頭痛の発作時に使う薬を大きく4種類に分けて、LDS患者の視点から整理していきます。


① トリプタン系

片頭痛治療薬として、まず代表的なのが①トリプタン系です。

①トリプタン系は、ガイドライン上でも有効性が高い薬として位置づけられており、片頭痛の発作時に広く使われています。実際、成人の日常生活に支障をきたす片頭痛発作では、④NSAIDsよりも①トリプタンを使用することが提案されています。

ただし、LDS患者にとっては注意が必要な薬でもあります。

①トリプタン系は、片頭痛に関わる血管や神経に作用して痛みを改善する薬です。

その一方で、血管を収縮させる作用があります。

そのため、心筋梗塞の既往がある方、虚血性心疾患(狭心症等)がある方、脳梗塞や一過性脳虚血発作を起こしたことがある方、コントロール不良の高血圧がある方などでは、基本的に使用できません。

一般的に、心筋梗塞や脳梗塞は高齢者に多い病気です。一方で、片頭痛は若い人にも多くみられます。

しかし、LDS患者は若い年齢でも血管に問題を抱えている場合があります。

つまり、LDS患者にとって①トリプタン系は、
「片頭痛にはよく効く薬だけど、血管の状態によっては慎重に考える薬
だと思います。

私が①トリプタン系について注意喚起したい理由は、現在は②ジタン系③ゲパント系といった代替となる治療薬が増えてきているからです。


② ジタン系(レイボー®)

②ジタン系はラスミジタン(レイボー®)のみです。

レイボー®は、①トリプタン系とは異なり、主に脳の神経に作用する薬です。血管を収縮させる作用が少ないため、血管に不安がある人にとっても選択肢になりやすい薬です。

レイボー®は、頭痛の診療ガイドライン2021で「エビデンスの確実性:A、薬効のgroup:1」と位置づけられています。つまり、片頭痛の急性期治療薬として有効性が高い薬です。

また、これまで脳や心臓の血管に異常があり①トリプタン系が使えなかった患者にとっても、新たな治療選択肢として期待されています。

ただし、レイボー®にはかなり分かりやすい弱点があります。

眠気とめまいです。

私は、夜に片頭痛が起きて、そのまま寝て休める場合に服用することがあります。

逆に、外出前や仕事前にはかなり使いにくい薬だと感じています。

実際に仕事中に飲んだとき、立っているだけでもふらっとするくらいの眠気がありました。

レイボー®は、
「血管にはやさしいけれど、眠気には容赦がない薬」
というイメージです。

眠気のパンチ力、けっこうあります。薬というより、布団への招待状です。


③ ゲパント系

近年、③ゲパント系という新しいタイプの片頭痛治療薬も登場しています。

③ゲパント系は、CGRPという片頭痛に関わる物質の働きをブロックする薬です。①トリプタン系のような血管収縮作用がないため、血管の持病がある人にとっても選択肢になりやすい薬です。

③ゲパント系の1つ、ナルティーク®は、成人の片頭痛発作の急性期治療と予防療法の両方に使用され、急性期治療では発作時に1回75mgを経口投与するとされています。また、強い推奨・エビデンスの確実性Aとされています。

「血管に作用しない」「眠気も少ない」と聞くと、本当に効くのかな?と思うかもしれません。

ですが、③ゲパント系は有効性が確認されており、片頭痛治療の新しい選択肢として期待されています。特にLDS患者のように血管への影響が気になる人にとっては、かなり重要な選択肢になると思います。

ただし、デメリットもあります。

薬価が高いことです。

1錠2923.20円(3割負担の方は1錠880円)と保険適用でも自己負担額が大きくなる場合があります。頻繁に使う場合は、効果だけでなく費用面も考える必要があります。

③ゲパント系は、
「血管面では使いやすく、眠気も少ない。ただし財布には優しくない」
という薬だと思います。


④ カロナール・NSAIDs

カロナール、ロキソニン、イブなどの薬です。

病院を受診していない人が、片頭痛のときに一番使いやすい薬はこのあたりだと思います。

ただし、片頭痛治療薬として考えると、①トリプタン系・②ジタン系・③ゲパント系よりは一段階下の位置づけになります。

頭痛の診療ガイドライン2021でも、成人の日常生活に支障をきたす片頭痛発作では、NSAIDsよりもトリプタンを使用することが提案されています。

とはいえ、カロナールやNSAIDsが「意味のない薬」というわけではありません。

軽い頭痛や、片頭痛かどうか判断がつきにくい頭痛では使いやすい薬です。私自身も、普段の頭痛ではカロナールやNSAIDsを使うことが多いです。

ただし、NSAIDsは胃腸障害や腎機能への影響があります。また、頻繁に使いすぎると薬剤の使用過多による頭痛につながる可能性もあります。

カロナールやNSAIDsは、
「身近で使いやすいけれど、片頭痛専用薬ではない」
という位置づけで考えた方がよいと思います。


服用タイミングの違い

片頭痛の薬は、種類によって服用するタイミングも違います。

①トリプタン系や③ゲパント系は、片頭痛の痛みが出始めた早い段階で服用した方が効果を感じやすい薬です。

一方で、②ジタン系(レイボー®)は、痛みがある程度強くなってからでも効果が期待できる薬です。

この違いを知っておくと、薬の使い分けがしやすくなります。

例えば、

  • 片頭痛が来そうだと早めに分かるとき:①トリプタン系・③ゲパント系
  • すでに痛みが強くなっているとき:②ジタン系(レイボー®
  • 軽い頭痛や判断がつきにくいとき:④カロナール・NSAIDs

というように考えると、整理しやすいです。


私自身の片頭痛治療歴

ここから先は、私個人の片頭痛治療歴についてです。

現在は、月1回〜多いときで週3回くらいの範囲で頭痛があります。

頭痛が起きた場合は、まず④カロナールやNSAIDsを服用することが多いです。

年に2回程度、「これはひどい片頭痛が来そうだな」と感じるときには、③ゲパント系(ナルティーク®を使うことがあります。

また、寝る前に片頭痛が起きたときや、そのまま休める状況では②ジタン系(レイボー®を服用することもあります。

私の場合は、薬の強さだけでなく、
その後に仕事をするのか、外出するのか、寝られるのか
を考えて使い分けています。

片頭痛の薬は、単純に「一番効く薬を使えばいい」というものではありません。

特にLDS患者の場合は、
効果・血管への影響・眠気・費用・生活スタイル
をまとめて考える必要があると思います。

過去の治療歴については別の記事でお話ししようと思います。


頭痛の回数が多い場合は予防薬も考える

片頭痛の回数が多い場合は、発作時の薬だけで対応するのではなく、予防薬を検討する必要があります。

目安として、片頭痛発作が月に2回以上、または月に6日以上ある場合には、予防療法の実施を検討することが勧められています。

市販薬や頓服薬だけで何とかしようとすると、薬を使う回数が増えてしまうことがあります。

その結果、薬剤の使用過多による頭痛につながることもあります。

頭痛の頻度が多い方、生活に支障が出ている方、市販薬を頻繁に使っている方は、頭痛専門医や主治医に相談することをおすすめします。


まとめ

片頭痛の発作時に使う薬には、①トリプタン系、②ジタン系(レイボー®)、③ゲパント系、④カロナール・NSAIDsなどがあります。

ガイドライン上では、①トリプタン系・②ジタン系(レイボー®)・③ゲパント系は有効性が高い薬として位置づけられています。一方で、④カロナールやNSAIDsは使いやすい薬ですが、片頭痛治療薬としては一段階下の位置づけになります。

ただし、LDS患者の場合は、ガイドライン上の推奨度だけでなく、血管への影響も考える必要があります。

特に①トリプタン系は、片頭痛には有効な薬ですが、血管を収縮させる作用があるため、血管に持病がある人では慎重に判断する必要があります。

一方で、②ジタン系(レイボー®)や③ゲパント系など、血管収縮作用を持たない薬も登場しています。

LDS患者だからこそ、片頭痛も我慢しすぎず、でも自己判断しすぎず、主治医と相談しながら治療していきたいです。


※この記事は、LDS患者である私自身の経験と、薬剤師としての知識をもとに書いています。片頭痛治療薬の適応や使用可否は、既往歴や血管の状態によって異なります。自己判断で薬を中止・変更せず、必ず主治医や頭痛専門医に相談してください。

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