大動脈基部置換術の体験談【後編】手術当日から術後の経過

loeys-dietz 症候群

こんにちは、mikanです。
今回は大動脈基部置換術の体験談【後編】として、手術当日から術後の経過までを詳しくお伝えします!


手術当日

手術は6時間くらいかかりました。

最初に目覚めたとき、気道に管が入っていて話すことができず、焦りと苦しさでパニックになりそうでした。

術前の説明で必要に応じて身体拘束しますと言われていて、「そんな勝手に管抜いたりしないよ~」と思ったけど、苦しすぎて体が無意識に管を抜こうとしていて、身体拘束の必要性を身をもって理解しました(笑)

当日の夜が山場だということで、夜の11時くらいに執刀してくれた先生が見に来てくれてびっくりしました。血管が弱いので、出血も多かったようです。


ICUでのつらさ

集中治療室で一番つらかったのは、水を自由に飲めないことです。

術後はなぜか喉が非常に渇きますが、飲水制限があるため思うように飲めませんでした。水の代わりに看護師さんがくれた「氷」が命綱で、冷たい感触だけでも心が少し和らぎました。

水が飲めるようになった後も、1日に飲める量が決まっていたので、飲んだ分を紙に記録しながら過ごしていました。


術後の食事と不安

手術の翌日から固形食が始まりましたが、気持ち悪さでほとんど食べられませんでした。

普段できることができなくなるの、結構辛いです。「今だけ」と分かっていても、「この状態が一生続くのでは?」という不安が心をよぎりました。


排泄の話

術後2日ほどで排便がありましたが、動かないうえに食事量が少なかったため、コロコロとしたウサギのような便しか出ませんでした。

いきむと手術痕が痛むのもつらく、地味だけど大変でした。歩けるようになると少し良くなりましたね。


一般病棟への移動後

集中治療室で2日過ごし、3日目に一般病棟に戻りました。手術から4日目くらいから徐々に楽になり、回復の兆しを感じ始めました。

しかし、数日後に肩に激痛が出現。手術台での長時間の固定姿勢が原因とのことで、この痛みは約1カ月以上続きました。

痛み止めを看護師さんが管理しているため、痛みを感じたときにすぐ飲めないのももどかしかったです。痛くなってからお願いすると痛みを我慢する辛い時間が長いので、ある程度時間を決めて予防的に痛み止めは使うようにしました。

体拭きやお風呂の前、寝る前にお願いすることが多かったです。


術後の体力低下とリハビリ

術後の体の機能低下について、特に筋力と呼吸機能の低下に悩まされました。

① 筋力の低下

寝たきり生活の影響で、筋力は大幅に低下しました。これはどの手術後でも起こり得るものですが、理学療法士の先生によるリハビリのおかげで、スムーズに日常生活に復帰できました。少し息が上がる程度の軽い運動が、筋力回復に効果的とのことでした。

② 呼吸機能の低下

心臓の手術特有のものですが、少し動くだけで息が上がるようになりました。これを改善するために、術前に渡されたリハビリ用の器具を使い、呼吸機能を鍛えました。このトレーニングのおかげで、息切れが徐々に改善していくのを実感しました。早く日常生活に戻りたい方には、こうしたリハビリが非常におすすめです。

筋力も呼吸機能も、時間と努力をかけて取り戻せるので、焦らず取り組むことが大切だと感じました。


降圧剤と血圧管理

術後から降圧剤が処方され、自宅で血圧を測るようにと言われました。

私は測定すると自動でアプリに記録されるタイプの血圧計を使用しており、管理が楽なのでおすすめです。


退院後の制限

退院後は、骨がまだ完全にくっついていないため、1カ月ほどは重いものを持たない、3カ月ほどは車の運転を控えるよう指導を受けました。

実際、肩の痛みもひどく、そもそも重いものを持つのは不可能でした。

肩の痛みは1カ月を過ぎると改善し始めましたが、疲れた日や天気が悪い日には、半年経った今でも少し痛むことがあります。


まとめ

術後はつらいことも多かったですが、リハビリや適切なケアを続けることで、少しずつ日常生活に戻ることができました。同じような手術を控えている方や回復途中の方にとって、この体験談が少しでも参考になれば幸いです。

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