大動脈基部置換術の体験談【前編】自己弁温存手術の選択と術前準備

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こんにちは、mikanです。今回は私が経験した大動脈基部置換術についての体験談です。

内容が長くなるため、【前編】と【後編】に分けてお話しします。前編は、術式の選択と術前準備についてご紹介します。


術式の選択について

手術前に、先生から可能な術式について詳しい説明を受けました。それぞれの術式にはメリット・デメリットがあり、患者自身の状態や希望に応じて選択します。

私が受けたのは 自己弁温存大動脈基部置換術という方法です。この術式では、患者自身の健康な大動脈弁を温存し、大動脈基部を人工血管に置き換えます。以下、代表的な術式を簡単にご紹介します。

  1. 自己弁温存手術
    自己弁を温存することで、ワーファリンを一生飲み続けなくていいというメリットがあります。ワーファリンは催奇形性があるため、若い女性には勧められません。ただし、自己弁の耐久性によっては将来的に再手術が必要です。
  2. 人工弁を用いた大動脈基部置換術
    • 機械弁:耐久性が高く、若年層に選ばれることが多いが、生涯にわたるワーファリンの内服が必要。
    • 生体弁:高齢患者やワーファリンの内服を避けたい患者に適しているが、耐久性が機械弁より短い。

いわゆる血液サラサラの薬は世の中にたくさんありますが、機械弁に変えた場合はワーファリンが優れているようです。

私は第一希望として自己弁温存手術を選びましたが、自己弁が使えなかった場合に備え、人工弁の選択肢(機械弁または生体弁)も事前に決めておきました。

自己弁温存の方法を選んだ理由は、今は子どもを持つ予定がなくても、将来的に考えが変わる可能性があると聞いていたからです。

また、「自分の可能性の幅を狭めたくない」という気持ちも大きな理由でした。ワーファリンは他の薬剤との相互作用が多く、納豆も食べられないし、あんまり飲みたくなかったというのもあります。

ちなみに自己弁温存の場合でも術後3カ月ほどはワーファリンを服用しました。


術前の説明と検査

手術の準備として、輸血に関する説明と同意書のサインがありました。「輸血が必要になる可能性が高い」と聞き、これまでの手術以上に大きな手術なんだと実感して緊張したのを覚えています。

術前の検査では、心臓の状態を詳細に把握するために、脈拍を落ち着かせて行う造影CT検査を受けました。

検査の流れ:

  1. 脈をゆっくりにする薬を服用し、1時間待機。
  2. 検査直前に心臓の血管を広げる薬と追加の脈拍を抑える薬を使用。
  3. 造影剤を注入して撮影。

待機時間が長く、地味につらかったです。また、血管を広げる薬の影響だと思いますが、頭痛が起きました。(もともと頭痛もちです。)


次回の【後編】では、手術当日から術後の経過について詳しくお伝えします!

手術を控えている方やご家族の参考になれば幸いです。

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